GLASSの技術

木材の耐久性を高めるため、過去さまざまな防腐薬剤が使用されてきました。例えば、CCAは発がん性のある六価クロムや砒素が用いられているため、環境汚染が懸念されアメリカでは2004年以来住宅建材としての使用が禁止されています。また、CCAに替わってAACやACQなどの木材保存薬剤が現在使用されていますが、いずれも水に溶解しやすく、毒性はCCAに比べ弱いとはいえ、加工に伴う健康リスクの懸念は払拭されていません。また、建築金物を腐食させる問題も抱えています。

このような従来の有害な木材防腐処理から人体と環境を守るためのアメリカ環境省の方針(2003年)に触発されて、全く新しい木材保存処理が開発されました。この処理方法は、有害な薬剤で腐朽菌や害虫を殺すのではなく、「木材繊維をアモルファスガラスで皮膜し、物理的バリアーを形成することにより、シロアリや腐朽菌が食餌となる木材だと認識しないようにする」という今までとは全く違う概念の手法を採用しています。

この処理は、木材を処理釜にいれた後、高温化でケイ酸ナトリウム水溶液を加圧注入して行われます。この熱重合反応の結果、ケイ酸トリウムがアモルファスガラスに変化し、分子単位のしなやかな薄い層が木材繊維に永久的に固着することになります。したがって、長期間水中に浸ることがあってもアモルファスガラスが溶出することはありません。処理後は、材の強度や材の色、風合いは全く変わりません。

   
上の写真は、左側がグラスウッド処理したサザンイエローパインの切断面の拡大写真で、右側が、無処理のサザンイエローパインの切断面の木材繊維です。グラスウッド処理をした方が、繊維の破損がないことがお分かりいただけます。